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波打ち際 5

「あー、食った食った!!もうはいんねー!!」
目の前には、空になった皿とグラスの数々。パステルの
「もー、みんな、飲みすぎだよ!」という声を、まあまあと流し、結構な量のビールを空けた。
ルーミィは、飯の途中で舟をこぎ始め、今ではぐっすり夢の中。
キットンは完全につぶれてしまい、クレイもノルも真っ赤な顔をしていた。

「じゃあ、私そろそろ部屋に戻るね。ルーミィもこの通りだし。おやすみなさい」
「おーおやすみー」
「おやすみー」
こういうとき、いつもならノルやクレイがルーミィを抱いていくんだが、あの調子じゃそれも無理、かといって俺も結構な量を飲んじまってるしなー。
よいっしょと、ルーミィを抱き上げ、パステルがでていく。
しまった、せっかくパステルの株を上げるチャンスだったのに・・・。


それから、食器を片付けに宿の人間がきて、布団も敷いてくれる。・・・直にひくのか?
まあ、野宿の時とか地面に毛布だもんなー、それが布団なだけましのなのか?
敷かれた布団にごろんと横になってみると、良く干されたふんわりした感触に、ほっとする。
あ、ねみぃかも・・・。
うとうとと心地いい睡魔に身をゆだねる。
ビールによって酔った身体に開け放たれた窓から入る海風が心地いい。
海鳴りをBGMに、眠りにつきそうだったのに・・・。
浮かんでくるのは、パステルの今日見た水着姿や浴衣姿で・・・。

・・・だめだ、寝れねえ・・・。

ちょっと、頭冷やすか・・。

俺は、昼間泳いだビーチに座り込んでいた。
今日は満月。月明かりで、水面がキラキラ光って綺麗だ。
・・・あいつが見たら、喜びそうだな。
だめだ、俺、もう我慢できないかもしれねえ。今の関係で満足しようって思ってたのに。
あんな姿見て、日に日に綺麗になっていくあいつを、他の誰かが目を付けねえなんてこと、ありえねえ。
現に、あのむかつく野郎、ギアがいい例だ。
くっそ、思い出したらむかついてきた!!
「ちっ!!かっこわりいなー。」

いつだって、本気で女に惚れた事なんてなかった。
どうせ、どれだけいい女がいても、いい感じになったとしても、側にいるクレイを見れば、その気持ちはあいつにむいちまう。何度もあいつに惚れる女を見てきた。
どの女も、みんな同じ。
そんなのクレイのせいじゃねえってこともわかっちゃいるんだ。
あいつは、男の目から見てもすげえやつで、顔良し、性格良し、背だって高く、家も騎士の家で金持ちの坊ちゃんだ。けれど、それを鼻にかけることも無く、誰にでも親切で優しい。
女が惚れる要素を十二分に持っている。
親友として誇らしくもある。まあ、不幸だが、それもいい味だ。
そんなやつが側にいて、本気で女に惚れる事なんざ出来なかった。
どうせ、上手くいきっこねえってわかってるからな。

けど、あいつはちがった。
クレイと生活していても、いいやつだとは思っても、女としてクレイに惚れなかった。
俺とクレイを男として比べなかった。
それに気がついたとき、俺がどれだけうれしかったかおめえには一生わかんねえだろうな。
だからといって、すぐに惚れたわけじゃねえ。いくらなんでも、そんな理由で惚れたわけじゃねえんだ。
ただ、きっかけの一つではあったと思う。
鈍くさくて、甘ったれで、でも、いつだって前向きで、どれだけ傷ついても歩いていく強さを持った女。
顔だって、スタイルだって平凡で、でも、あいつの笑顔がどれだけ癒されてきたか。

気がついたときには、どうしようもねえくらい惚れちまってたんだよな。
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こちらは、フォーチュンクエストの非公式ファンサイトです。

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