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気になるしぐさ

それを見たのは、数週間前の夜だった。
ふと、脱衣所で脱いだ服のポケットに、バイト先で貰った飲み屋の割引券が入っていたのを思い出したのだった。
お風呂でドッキリー、なんて俺的にはおいしいが、あとあとパステルはもちろん、クレイにもグチグチ説教を食らうのも嫌なので、俺ら以外に客がいないとはいえ、一応風呂場に繋がる扉ではノックをしている。
すると、どうやら先客にパステルがいたらしく、中からどうぞという声。
パジャマ姿で、長い髪をタオルでまとめ、風呂上りのせいか、ほんのりピンクに染まった肌のパステルが、鏡を見ていた。
「どうしたの?」
こっちに振り向くことなく、声をかけられ、忘れ物とだけ返事をした。
「ふーん」と、興味なさげに、パステルは鏡を見ていた。
そして、
プニプニ
柔らかそうな唇を、なんだか不機嫌そうにプニプニと触っている。
ドクン
なんだよ、やべえ、パステルが妙に色っぽく見える。
一生懸命平常心を取り戻そうとしている俺を横目に、パステルは何もなかったかのように、(いや、実際なにもなかったんだが・・・)お休みと出て行った。
そして、その日から妙にパステルの唇を触るしぐさがきになってしまったんだった。


あの日から、3週間、バイトが遅くなり、残されていた食事を済ませ、さっさと風呂にでも入って寝るかと、風呂に向かうと、パステルが居た。
「おつかれさま。あ、ごめんね。すぐ出るね」
そういって、鏡に向かい前回とは違い少しうれしそうな顔で、ぷにぷにと、唇をさわっていた。
「・・・べつに。なあ、・・・・」
「ん?なあに?」
「あー、いやー、おめえ口、どうかしたのか?」
「へ?なんで?」
「だっておめえ、ちょっと前もそうやって鏡に向かって触ってただろ?唇。それも不機嫌そうに」
「あ、気がついてたの?やー、じつはさあ・・・」
パステルがいうには、冬の所為で、肌も唇も少し乾燥気味だったらしく、肌はキットンお手製の化粧水で、すぐに平気になったのに、唇だけ乾燥したままだったそうだ。
それをキットンに相談した所、新しい薬用のリップを開発してくれたそうで、塗り始めて1週間、以前よりプルプルになった唇がうれしいそうだ。
そういえば、柔らかそうだった唇はさらに、ふっくらとして、リップのせいかつやつやしていた。
触れてみたい
思わずその唇に手が伸びる。
指先に感じる柔らかなそれ、ああ、自分のものにできれば良いのに。
「と、と、トラップ?」
突然の事に、びっくりしたパステルの様子にふと我に返った。
「あ、わりい。ふーん、いいんじゃねえ?キットンもたまにはまともなのつくんだな」
「あははは、ひどいよ。でも、まあ、キットンだしね。でも不思議なものと同じくらい良いものも作ってくれるからすごいと思うよ。じゃあ、ごめんね。お邪魔しました。ゆっくり温まってね。おやすみ」

湯船につかり、さっきのパステルをおもいだし、思わずそっと自分の唇に触れてみる。
パステルとは違う少しざらついた感触。
ばしゃっと顔にお湯をかけ、その手で顔を覆う。
ああ、ダメだ。これは完璧にやられた。
気になるしぐさが、気になる場所、気になる女が、手に入れたい女に変わった瞬間だった。
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こちらは、フォーチュンクエストの非公式ファンサイトです。

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