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お題ss「灯火」

新しいお題「灯り」のssです。


シルバーリーブに来て間もない頃のイメージです。
「んだよ!!クソ!!!」
目の前に落ちていた空き瓶を蹴ってみるも、夜の静寂の中、からんからんと軽い音が響くだけだった。

この町に拠点を構えて、一ヶ月。
それなりにバイトをしたりして、顔見知りやなんやが増えてきていても、しょせん俺たちは、流れ着いた日世っこ冒険者で、まだまだこの町に受け入れられたとは言えないといことが、今夜、嫌というほど思い知った。

ことの始まりは、バイト帰りにみんなで猪鹿亭で夕食を済ませ、俺一人が、カジノへ足を運び、勝ちも負けもしなかったので、近くの居酒屋に足を運んだ。
何杯かビールを飲んだあと、明日も仕事だと、店を出ようとした所、やけに身なりのいい男が数人、店内に入ってきた。ビールを飲んでいたこともあり、少しよろめいて、その男の一人とぶつかった。
「あ、わりい、わりい」
「気をつけろ!!」
ぶつかったこっちが悪いのもあり、わりいなと店を出たのはいいのだが、すぐに時点は一変した。
どやどやと、居酒屋から何人もの男が出てきて、俺を拘束し店に連れ戻される。
一体何事だ?と思うまもなく、俺を羽交い絞めにし、「お前が盗んだんだろう!!」と言いがかりをつけられた。
どうやら、俺がぶつかった男の財布が消えたらしい。
「何で、俺がんな真似しねーといけねーんだよ!!ふざけんじゃねー!!」
「ああ?おまえがやったんだろ!!正直に言いやがれ!!」
「冒険者とは名ばかりのこそ泥ふぜいが、えらそうに!!お前以外に誰がいるんだ!!」
「俺はシーフだ!!こそ泥や、すり風情と一緒にすんじゃねーよ!!」
俺がいくら反論しようとも、聞く耳をもちやしねー。
がつんと殴られ、さっさと、盗んだものを出せとわめきやがる。
「出すも何も、俺じゃねえってんだろうが!!その耳は飾りか?ああ?」
俺に言いがかりをつけている男は、身なりからも推測できるように、どうやら有力者で、誰も助けてやくれねえ。そして、周りの目はシーフだから、と疑いの目で俺をみていた。
今までだって、何度も体験してきた。シーフと盗賊の違いもわからねえ、そんなやつらの冷たい目。
それから、どれだけ時間がたったのだろうか?
何度も殴られ、ののしられ、いい加減腹がたつ。

「トラップ!!!」
「・・・クレイ」
店に飛び込んできたのは、親友のクレイ
「離して下さい!!一体、何の証拠があってトラップにこんな事を!!」
「ああ?この方の財布がこいつとぶつかった後、無くなったんだ!!盗賊のこいつが取ったに違いないだろうが!!」
「盗賊とシーフは違います!!ちゃんと冒険者支援グループに認められたれっきとした職業です!!それに、その無くなったと言う財布がトラップが持っていたとでも言うんですか?ここに来る前に、落としたり、家に忘れたりしていないとい保障があるんですか?何も証拠がないのに、こんな事をしているなら・・・!!」
「・・・っ!!身包みはげば、出てくるの決まってる!!」
「じゃあ、俺がここで脱げばいいんだな。店を出てここに戻るまで数分もなかった。証拠隠滅もねえのは、てめえらだってわかってるだろ?だったら、脱いでやっから、さっさと手を放しやがれ!!」
俺がそういうと、しぶしぶ、俺を羽交い絞めにしていた奴が手を放した。
近寄ろうとしたクレイを押しとどめ、店の中で上着から穿いていたタイツ、ブーツに帽子に至るまで下着以外を脱ぎ捨て、目の前の男に投げつける。
俺はその場にどっかりとすわった。
「これで全部だ。好きなだけ確認しやがれ!!」
俺の声に、数人がかりで一枚一枚確認するも、当たり前だが俺の財布以外、金も財布も出てこなかった。
「これでわかったでしょう?トラップはそんことをするはずがありません!!」
「・・・しかし、この方の財布がなくなったのは事実で・・・。」
「それが事実だとしても、トラップが盗んでいないことはこれで確認できたはずです!!ちゃんと謝罪してください!!」
しかし、まだ何か疑いがあるのか、納得していないのか、やつらの目はあちこちに飛ぶ。
そこへ
「あ、いたいた!!すみません、ガストン様。先ほど当店でお財布を落とされておりましたよ!!すぐに追いかけさせていただいたのですが、追いつかず。ご自宅の方にお届けさせていただきましたので。」
と、なんともお粗末な結果をもたらした。

その後、形ばかりの謝罪を受け、俺とクレイは宿に戻った。
帰り道、俺以上に、クレイが憤慨していたものの、長年の経験が、どこかでそれも仕方がないとあきらめていた。
こうやって、怒ってくれるやつがいる。それでいい。
灯りの乏しい道を歩くと、宿の前に小さな灯りが見えた。
近づいていくと、それがパステルが持つカンテラの灯りだと、気がついた。
キットンやノルも心配そうに、こっちをみている。
こんな寒いのに、あいつらは・・・。

宿の中で殴られた傷の手当をキットンに受け、その間にクレイがパステル達に顛末を教えると、パステルもあの穏やかなノルも怒っていた。
ああ、子供の頃からうけた暗い気持ちもこいつらが信じてくれるそれだけで、報われる気がする。
俺にとって、こいつらは仲間であり、家族であり、暗い道を照らす灯りなんだ。
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こちらは、フォーチュンクエストの非公式ファンサイトです。

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