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LIKE OR LOVE 後編

翌日、約束どおりにバイトが終わった後、彼女を迎えに行くと、いつもどおり、綺麗な服を着て、しっかりとその綺麗な顔にメイクを施した姿で、アイリーンは待っていた。
「やあ、アイリーン。待ったかい?」
「いいえ、クレイ。じゃあ、いきましょ?お昼は食べた?」
「ああ。今日は夜まで戻らないって言ったら、パステルがお弁当を作ってくれたからね。昼前に休憩がもらえたから、そのとき済ませたよ。君は?」
「・・・・・・。そう。私も家で済ませたわ。いきましょ」
あれ?機嫌が悪い?なにかあったのかな?
当たり前のように腕に絡み付いてきた彼女の腕を、とんとんと叩き、歩き出す。
今から向かうのは、彼女が見つけた花をモチーフにした小物を扱うお店。
正直、男の俺には肩身が狭いんだが、彼女が喜ぶならまあいいだろう。
店に着き、店内をあれもかわいい、これもかわいいと見て回る彼女の後ろを所在無げにいると、ふと、一つのブローチが目に付いた。
それはすずらんの形をしたシルバーのもので、なんとなくマリーナに似合いそうだとおもった。
そうだ、この間もお店を閉めたからと、俺たちにとたくさんの服を送ってくれたんだから、お礼をしなくちゃな。それを手にとって、値段を見てみるとなかなかの値段。
・・・でも、これ、マリーナに似合いそうだしなあ。
もうすぐ給料日だし、大丈夫だろう。
「ねえ、クレイ。これかわいいよね。」
「あ、ああ。いいね。」
彼女が見ていたのは、薔薇のピン。
確かに、彼女には薔薇が似合うだろう。
値段を見てみると、猪鹿亭のランチ一回分。
これくらいなら、買ってあげよう。
彼女からそれを受け取ると、ブローチと共にレジに向かい、ブローチは贈り物用にラッピングしてもらった。
待っていたアイリーンに、ピンをプレゼントすると、ありがとうと言いつつも、視線は小さな紙袋に入れられたブローチへ。
「ああ、これは、幼馴染にだよ。すごくお世話になったからそのお礼に。彼女に似合いそうなものがあったからね。」
「そう・・・。お礼、ね。」
なんだかうかない顔。どうかしたのか?
「・・・・・・ねえ?クレイ。私のこと好き?」
「もちろんだよ。」
「クレイの恋人は私だけよ。そうでしょ?」
「ああ。あたりまえじゃないか。」
「なら、・・・いいわ。少し早いけれど、食事にでもしない?」
「あ、ああ。いいとも。じゃあ、猪鹿亭でいいかい?」
「いつもの?今日は、あっちのお店にしない?」
彼女が指差すのは、リタの店よりワンランクお高い店。
財布の中身を考えても、少し厳しい。
「・・・すまない。給料日前で少し持ち合わせが足りないんだ。今度つれてきてあげるよ。」
「・・・わかったわ。いきましょう」
あ、嫌な気持ちにさせたかな?でも、俺たちが貧乏なことはわかってるだろうし、デートの食事代を女性にださせるなんて、できないしなー。
何か、ブツブツと彼女が不機嫌そうに、つぶやいているものの、どうしたらいいのかわからず、そのまま店にむかった。
食事はいつものように美味しかったが、彼女の機嫌はあまりよくはならなかった。
食事の後、コーヒーを飲んでいると、色々な人に声をかけられた。
いつものように軽く言葉を交わすが、気がついた時には彼女の機嫌はさっきより数段悪くなっていた。
・・・今日はもう帰ったほうがいいのかな?
そう思い、会計を終え、アイリーンを家に送る。
いつもならおしゃべりな彼女が黙ったままで、この沈黙が彼女の不機嫌さをうかがわせるようで、どうするべきか頭が痛い。
家の前で、「じゃあ、今日は楽しかった。おやすみ」とつげ、機嫌をとるように、頬に口付ける。
彼女はそれを受け入れるだけで、やはり何も言わない。
「アイリーン?」
「・・・・・・ねえ?クレイ。私はこの一ヶ月、あなたに振り向いてもらおうと頑張ったわ。始めは私が押し付けるように恋人になった。でも、あなたは了承してくれて、大切にしてくれた。
・・・でも、もう無理。
あなたの気持ちが判らない。
・・・別れましょう?」
え?いきなりなんでだ?頭が真っ白になるも、浮かんできたのは、どこかほっとしたという気持ちだった。
「君がそう望むなら・・・。でも・・・俺、何か君を傷つけることしたのかい?」
「いいえ。でも、あなたの気持ちと私の気持ちは違うから・・・。私はあなたのONRY1になりたかった、NO,1ではなくてね。今までありがとう。じゃあ、おやすみなさい」
そういい残すと彼女は足早に家に入って行った。

家に戻ると、今日もトラップだけがリビングにいた。
パステルとルーミィは風呂、キットンたちは部屋にもどったらしい。
「・・・なんでえ、しけたつらしてんな。恋人とデートだったんだろ?」
「ああ、うん。振られた」
「ふーん」
「俺の気持ちが判らないって、NO,1じゃなくONRY1になりたかったって。俺の恋人はアイリーンだけだし、何でそういう風に思うんだろうな?」
「・・・おめえ。はあ。んで?別れるっていわれて、おめえはどうしたんだ?」
「え?そりゃ、びっくりしたけど、彼女がそう望むなら、そうするしかないだろ?」
「あーあ、本当に、アイリーンに同情するわ。」
「なんでだよ!!俺は俺なりに彼女を大切にしていたぞ?嫌な思いをさせないよう、彼女が望むことはできるだけ叶えてきたつもりだし、仕事で疲れても、彼女が望むから、あいにも行った。何がダメだったんだ?」
「それだよ・・・。アイリーンはNO,1じゃなくONRY1が良かったんだ。その他大勢の中の一番ではなく、ただ唯一の人間にな。俺からでさえ、おめえのONRY1があいつじゃねえことはわかる。恋人という入れ物だけの、その他大勢の中の1番ってな。」
「・・・そんな!!」
「だってよ、おめえ、あいつに別れを切り出されたとき、嫌だと思ったか?あいつに近づく男を邪魔だとおもったことは?あいつの何もかもを手に入れたいと願ったことは?ねえんじゃねえか?」
それは・・・確かにない。
「おめえは確かにあいつを大事にしてたかも知れねえ。でも、それは俺から見れば、好意を寄せてくれて、恋人という関係だからってだけで、おめえがあいつを求めてるようにはみえなかった。
向こうはおめえに愛されたかった。おめえはあいつを好きではあったが愛してまではいなかった。
LIKEとLOVEの違いって奴だ。
同じ好きでも、重さが違う。どうだ?おめえはあいつを愛してたか?LOVEだと言い切れるか?」
「俺は・・・」

俺は彼女に好意を寄せられてうれしかった。恋人という立場になって、過ごす時間はそれなりに楽しかった。
けれど、デートが終われば家に早く帰りたった。
トラップが言うように、彼女の全てを手に入れたいと願った事もなかった。
綺麗な彼女に男が向ける視線も気にはならなかった。
アイリーンは俺とは逆に、いつもそうおもっていたんだ。
だから、他の女の子が近くに来る事も、自分以外を大事にしてるのも、苦しかった。
これが、LIKEとLOVEの違い?
・・・俺はひどい事をしていたんだな。

「・・・わかったか?」
「ああ。」

いつか、また恋人という存在ができたときは、その子を大切にしよう。
そして、同じ思いをその子に返そう。
そんな気持ちを持てる人と恋人になろう。

そう、心に誓った夜だった。

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