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チョイス

「・・・・・・・・はあ。何やってんだろう」
私は目の前にあるものを見て、思わずため息がこぼれた。
そして、確認せずとも増えることなんて絶対ない、手の中のお財布を見て、落ち込んだ気持ちに拍車がかかった。
それもこれも、トラップが悪いんだーーー!!と、声を大にしたとしても、そんなものはあいつには届かないだろう。


ことの始まりは、さっきの買出しだった。
私たちパーティは自慢じゃないけれど、貧乏だ。本当に自慢する事じゃないけど・・・。
その貧乏な中でも、生活費を除いたお金の中から、各自にお小遣いがあり、無駄遣いをしなければ、まあ、だいじょうぶかな?ってぐらいだった。
つい先日、そのお小遣いをみんなとわけ、私の個人の財布はちょっとだけふくらんでいた。
そんな中、今日の食事当番でもあったために、買い物にでたんだけど・・・。
家に野菜が結構残っていたので(クレイが買い物に行くとこぞっておまけしてもらえるんだよねー)買うものはそんなになかった。
少なくなっていた、お砂糖と玉子、小麦粉を買い、せっかくだしと、色々と見ていた。
アクセサリーや小物、可愛い服。実は、今回のお小遣いで気になってた服を買うんだwwルーミィにも新しいの買ってあげたいしね!!
貧乏な私では簡単に手を出せるものでもないし、冒険者たるもの、チャラチャラするのも、どうかって思うんだけど、そこは、ほら、私も女の子ですから?興味がないわけがないし、どちらかといえば好きなほうだと思う。
店から店へと渡り、目の保養。いつか、買えたらいいなとか思いながらも楽しんでいると、とあるお店が目に入った。
最近できた洋服屋さん。普段私が着ているものより、安くても0が一つ多いお店だけれど、今すっごく人気がある。
普段なら、外から見てるだけだれど、今日はちょっと中に入ってみようかな?
ここは、レディースだけじゃなく、メンズも置いていて、店内はおしゃれな服を着た男女でにぎわっていた。
ドキドキしながら、店内に綺麗にディスプレイされた服をみていると、
「う、やっぱり高い・・・。それに、・・・わたしにはちょっと似合わないよね。」
そう、ここはちょっと大人向けの洋服を置くお店だったのだ。
・・・でも、今は無理でも、いつかこうゆう服が似合う女性になりたいな。
マリーナだったら、綺麗に着こなして、すっごく似合うんだろうな。
目の前にあるのは、綺麗な桜色のワンピース。
色味だけだと、幼くなりがちなんだけれど、大きく開いた胸元と、身体に沿うラインがとってもセクシーだった。
少しの憧れの目でそれを見ていると、まさかここで聞くとは思えない声が、聞こえてきた。
「へー。パステル、おめえ、そんなのが似合うとでも思ってんの?この店はオコチャマなおめえには、ちとにが重いんじゃねえ?」
・・・この、デリカシーのないいやみな言い方は・・・。
「トラップ!!あんたこそ、なんで!!」
「俺は、たまに来てるぜ?この間のシャツもここのだしな。」
・・・そういえば、最近、彼はおしゃれに興味があるらしく、例のタイツを卒業してから、どんどん言い方が悪いかも知れないけれど、普通になってきている。
「ふーん。このワンピねえ。こういうのは、出るとこでて、ひっこむとこひっこんだお姉ちゃんが着てこそだろ?せめて、もうちょっと成長してからにすればー?まあ、成長できればだけどな。」
その言葉に、カチンと来た!!
なによ!!そんなに私に似合わないとでも?いいわよ!!絶対素敵に着こなして、ぎゃふんといわせてやるんだから!!
私は半ば意地になっていたんだと思う。
そのワンピースを手に取ると、キッとトラップをにらむと、レジに向かった。
ワンピースはこのお店の中ではまだ安い方で、私のお小遣いでもギリギリ買えた。
まあ、財布の中はほとんど小銭しか残らない程度に高かったんだけれど。
怒りに我を忘れていた私には、どうでもよかった。
「お、おい!!パステル」
慌てたトラップが止めるのも気にせず、
「当店は返品交換はいたしませんがよろしいですか?」という、店員さんに「いいです」とお金を払い終えると、さっさと店を後にする。
なによ!!なによ!!トラップったら!!
「おい、パステル。おめえ、本当に着るつもりなのか?それに、結構値段も・・・。」
心配そうに追いかけてきたトラップに「うるさい!!私が着るんだかし、私のお小遣いをどう使おうとトラップには関係ないでしょ!!」
そう、言い放つとさっさと家に戻った。

食事を済ませ、私はルーミィを連れお風呂を済ませるとさっさと自分の部屋に戻る。
食事の間も、みんなにどうかしたのか?と聞かれたけれど、トラップの言葉に対する怒りは取れなかった。
ルーミィが寝静まり、一人の時間ができると、そっと昼間に買ったワンピースをとりだし、ハンガーにかけた。
・・・・・・似合わない・・・よね。
薄暗い部屋の中で静かにそれを眺めていると、だんだん平常心が戻ってきた。
私、何をやってるんだろう?
大切なお小遣いを怒りに任せて、似合いもしないこんな高い服を買って。
このワンピース一枚で、いつも着る様な私の服が何枚買えた?ルーミィにだって、可愛い服を買ってあげられたのに・・・。
返品ができないというのに、それでもいいと買ったのは自分。
今更後悔しても遅い。
私はパジャマを脱ぎ捨てると、そのワンピースに腕を通した。
私は背が高い方だから、そこまで不恰好ではないけれど、どうみても子供が無理をして背伸びをしているようだ。
大きく開いた胸元から、かすかに見える谷間に、むなしくなる。
もっと胸が大きければ・・・。本当ならもうちょっと色気があるはずワンピースも私が着たら、宝の持ち腐れだよね・・・。
私は落ち込みながらもう一度パジャマに着替え、ワンピースをかけた。

ほんと、何やってるんだろう?いくらトラップの言葉に腹が立ったとはいえ。
トラップの馬鹿!!
こんなの八つ当たりでしかないことはわかっていても、そう思わずにはいられなかった。

財布を取り出し、中を見ても、簡単に数えられそうなくらいしか入っていない。
次のお小遣いの日までまだまだある。それまで、どうしようかな。
そう、財布を手にぼーっとワンピースを眺めていると、かすかなノックの音と共にトラップが部屋にはいってきた。
・・・ノックと同時に入ってきていたら、ノックの意味なんてないでしょうが!!
無言のまま、部屋に入ってきたトラップをさめた目でちらりと見るものの、無視をする。
だって、いくらワンピースの事で落ち込んでいたって、彼の発言にはまだ怒っていたから。
トラップも無言のまま、私を見ていたかと思うと、ちらりと例のワンピースに目をやり、
「・・・・・・それ、着て見せろよ」と一言、つぶやいた。
「はあ?私には似合わないんでしょ?だったらほっておいて!!」
「いいから!!着ろ!!」
そういうと、くるりと背中を向けた。
・・・なによ!!しかも着替えろといいながらも、部屋から出るつもりもないの?
ムカムカしながら、もう一度、ワンピースに着替える。
・・・やっぱり、似合ってない、よね。
「・・・いいか?」
「いいわよ。どう、似合ってないんでしょ!!もういいでしょ?ほっておいて!!」
ダメだ。怒りに思わず涙がこみ上げてくる。
トラップは無言のまま、上から下までゆっくり眺めたかとおもうと、
「・・・にあってねえ訳じゃねえよ。」
とぼそりとつぶやいた。
何?今の空耳じゃないよね?
「え?」
「似合ってる。いつもと違って、いろっペーし、ちゃんと似合ってる。」
嘘?まさか、トラップがそんなこというなんて!!!
「・・・嘘。嘘つかなくていい!!私だって似合ってないのわかってるんだから。」
「嘘じゃねえ。俺がそんなつまんねえ嘘なんかつくか!!・・・あん時、ああ言ったのは、おめえのそんな格好を他のやつに見せたくなかったからだ。」
トラップハナニヲイッテルノ?
「いつも、おめえに色気がねえとか言ってるのも、ほんとはそんなことおもってねえ。俺の言葉にむきになってくるおめえが見たかっただけで、傷つける気なんかなかったんだよ。」
どういうこと?トラップは何が言いたいの?
「・・・意味がわからねえか?そうだよな。おめえは俺のことただの仲間としかみてねえ。けどよ、おれは・・・。いつだって、おめえを一人の女としてみてた。綺麗な格好や、色っぽい格好なんざ、他人に見せたくねえほどに、おめえを独占したいっておもってる。」
まさか、これって?嘘!!
「おめえが俺をそういう目で見てねえことはわかってた。だから、いつか家族としてじゃなく男としてみてもらえるまで言うつもりはなかった。でも、もう我慢するのも止めだ。今回だって本当は他にほしいものあったんだろ?でも、俺の言葉に怒らせて、傷つけて・・・。我慢してたから、その反動でおめえにはきつい事ばっか言っちまう。気持ちを伝えてもいねえのに、周りに妬いちまう。そんなの、もう止める。パステル。俺はおめえが好きだ。仲間としてじゃねえ、家族でもねえ、一人の女として、おめえがいいんだよ。」
「・・・わ、私は」
「いい。返事はまだすんな。いきなりで、さっきまでおめえを怒らせてたのに、こんな状況で出す答えなんかいらねえ。ゆっくりでいい、考えてくれ。それで、いつか俺の気持ちに答えてくれたときは、その服着てでかけようぜ?」
「・・・うん。考える」
「おう。あと、これやるよ」
そういって、私にぽんと袋を投げると、トラップは出て行った。
「・・・これ!!」
袋を開けてみると、私が気に為っていた服が入っていた。


あの夜からしばらくたって、私はあのワンピースを着て、トラップと二人でいつもと違うおしゃれなレストランで食事をしていた。
「ねえ?トラップ。そういえばあの時、気持ちに答えてくれたらこれを着て出かけようってさ、私が答えるのがわかってたみたいじゃない?もし、違ったらどうするつもりだったの?」
「はあ?んなもん、答える決まってるだろ?鈍感なおめえと違って、俺はするどいんだよ。おめえが俺を自覚はしてなくても、意識してたのはわかってたしな。だって、そうじゃなきゃ、あそこまで怒る事はねえだろ?」
「・・・自意識過剰」
「ふん。その通りだったんだから、過剰でもなんでもねえ!!」
バーーカww
たった一枚の服のチョイスがこんな事になるなんてね。
まあ、いっかww
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