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ペアウォッチ

「ん。」
「え?なに?」
「やるよ。だいぶ前だけど、必要だっていってたろ?」

夜も更け、みんなが寝るために各自の部屋に引き上げた後、私はさっきまで使っていたマフカップを洗い戸締りを確認して、最後に部屋に向かった。
すると、何故だか部屋の前にトラップが立っていて、なにやら突き出したのだった。

私が必要っていっていた?なんだろう?不思議に思いつつも差し出されたものを受け取ってみてみると、白いなめし皮のベルトで、小さな緑色の石が埋め込まれた腕時計だった。
「わあ、かわいい!!これどうしたの?私にくれるの?」
「んー、あー、・・・、いやー、今日ちっとカードで遊んでたらよー、馬鹿勝ちしちまって、負けた相手が、持ち金以上にかけてやがってよー、その代償としてもらったんだけど、どうみても女もんじゃねえ?売っちまおうかとも思ったんだけど、そういやー、おめえが買わなきゃなーって言ってたの思い出してよ。どうせ買うならってな。」
「またギャンブルしてたの?でも、いいの?その人、誰かに渡すつもりだったんじゃ?」
「いや、そういうのを売ってるやつらしい。」
「うーん、なんだか良いのか悪いのかわかんないんだけど・・・。でも、ほしいとは思ってたからうれしい。ありがとう。トラップ」
「へ!!お礼なら明日の晩飯、期待してんぜ?」
「もう!!わかったわよ。あ、でも、ギャンブルはほどほどにね!!」
「うるせーよ。んじゃ、おやすみ」
「おやすみ。ありがとう」

翌日、私の手首には例の腕時計。
みんなにもトラップからもらったいきさつを伝えた。
「うーん、ギャンブルってあいつらしいなあ。ま、でも、これでクエストの時、レンタルしたりしなくて良いし、よかったじゃないか」
「そうだよね。それに、みて!!ここに小さな石がついててとっても可愛いの!!」
「良かったですねー。トラップのギャンブルもたまには役に立ちますね。」
「うるせえ。いらないならうっぱらって来ても良かったんだぜ?」
「やーよ。もう貰ったんだから、これは私の。」
そんなやり取りをした、数週間後のことだった。

「お、パステルじゃねーか。たまにゃあ、クエストでも買っていけよ。」
「うーん、もうちょっとお財布に余裕ができたらね。みんなにも相談しないとだし。」
「へ。あいかわらずの懐具合ってか?ん?それ?」
「あ、これ?ふふふ、いいでしょ?トラップがギャンブルの形に貰ってきたのをくれたの。前にクエスト言った時に、わたしたちもほしいなーっていってたから。」
「ほー、へー、ふーん、ギャンブルの形にねえ」
久しぶりに会ったオーシは、私の手と顔を見ながら、なにやらニヤニヤ笑ってる。
「ん?どうかした?」
「いや。なんでもねえ。あ、トラップに今度のみにでも行こうっていっといてくれや。」
なんか釈然としないけど、まあオーシの事だしね。
判ったと返事をしてその場は別れた。
家に帰ると丁度トラップがいたのでオーシが呑みに行こうって言ってた事を伝えると、不思議そうな顔をして、まあいいかと、ちと言ってくると家を出て行った。
その夜、帰ってきたトラップはなにやらものすごく不機嫌そうだったんだけど・・・。

翌日、洗濯をしようと、家に居たトラップに洗うものはないかと聞きに行くと、洗濯物を渡された。
その瞬間、ちらりと彼の手首に光るものを見つけたのだ。
「え?」
「んあ?」
具いっとその腕を掴み、手首を見てみると、私が貰ったのとよく似た白いなめし皮のベルトの腕時計。
私のと違うのはそれは男性用で少しごつく、埋め込まれた石が紫だった事。
「トラップ、これって。」
「ん、あー、いいだろ?べつに。手に入れたのが1つとはいってねえ。もう一個あったんだよ。あって困るもんじゃねーし、俺が勝ったから、てに入ったんだから、俺が持ってても文句はねーはずだ]
たしかにそうなんだけど、これって・・・ペアウォッチってやつだよね?
べ、別に、深い意味なんかないんだし、気にしなければ良いだけなんだし・・・。
「も、文句なんかないわよ。じゃ、じゃあこれ洗っちゃうから」
・・・でも、なんだか、妙に恥ずかしくなってしまった。

それから、何事もなく過ごしていたんだけど、妙に手首が気になってしまう。
久しぶりに、リタのとこでお茶でも飲もうと、むかうと今日は暇なのか、いつもよりお客が少なかった。
丁度良いからと、リタも休憩を貰い二人でのんびりミルクティを飲む。
すると、ニヤニヤと笑うリタが、ちらちらと腕時計を見ていた。
「もー、リタ、なあに?」
「ふふふ、それでしょ?例の腕時計。」
「例のって?これ、トラップがギャンブルの形に手に入れたのをレディースだからって、くれたのよ?」
「プププ、ギャンブルの形?トラップがそういったの?」
「うん、そうだけど?」
「くくく、ぶは、あははは。あ、あいつらしい!!」
「え?なあに?違うの?」
「くくく、それはねえ、ギャンブルの」
「おい!!リタ!!!」
リタが話そうとした瞬間、いつの間にいたのか、そこにはすごい形相のトラップ。
「え、なに?どうしたの?」
「・・・余計な事いうな。」
「はいはい。」
「パステル、ちょっとこい!!」
「え?ちょっと!!まだお金払ってない。」
「さっさとしろ!!」
「良いわよ。これは私のおごり。面白いもの見せてもらったしね。」
おもしろいって?いまだに意味がわからないでいると、リタがこっそり
「パステル、知ってる?ペアウォッチを、贈るには意味があるって言われてるの。」
「え?意味?」
「そ、その持ち主と一緒の刻を刻みたいって」
そういうとにやりと笑ったのだった。
私が混乱している間にも、トラップは私の腕を掴んでぐいぐいと歩きだしていた。

「ちょ、ちょっとトラップ!!どこにいくの?」
「・・・・・・・・・・・・・」
問答無用でつれてこられたのは、人気のない小高い丘。
トラップは急に足を止めたかと思うと、告げられたのは、見たこともないような真剣な顔で
「パステル、好きだ。俺の恋人になってくれ。これからの時間を恋人として傍にいてほしい。」
という、告白だった。
あまりにも突然でびっくりしたけれど、トラップの腕時計とペアだと気がついたときに感じた恥ずかしさと課、色々思い浮かんで、ああ、もしかして私も・・・。

トラップの告白を受け入れ、ただの仲間から恋人に変わった瞬間だった。


しばらくして、私の部屋でトラップとのんびりしていると、ふと気になったことがあった。
「ねえ?そういえば。この腕時計を見たオーシとリタが笑ってたのって、なんで?」
「・・・・・・笑うなよ?」
そういって聞かされたのは、これはギャンブルの形ではなく、トラップが自ら買ったもので、買うところをオーシに見られていたらしい。そして、私がギャンブルの形でって話をした後、のみに行ったところ、それをオーシにばらされ、たまたま傍に居たリタにもばれたからだそうだ。
トラップが選んでくれたんだ。
ちなみに、埋め込まれている石は小さいながらもちゃんとした宝石で、エメラルドとアメジスト。
エメラルドはトラップの、アメジストは私の誕生石。
お互いがお互いの誕生石のついたペアウォッチだったみたい。
「・・・いつかここにも贈るから。受け取ってくれっか?」
そういって、私の薬指をなでるトラップにその意味を理解し、私は
「はい」
思わずそう答えていた。

トラップ、この時計がさすように、一緒の時間をこれからも過ごそうね。
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こちらは、フォーチュンクエストの非公式ファンサイトです。

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